STERFIELD

2022/07/09

『はじめての越境EC・海外Webマーケティング』を読みました

『はじめての越境EC・海外Webマーケティング』を読みました

待望の越境EC関連書籍!

越境EC支援をしている世界へボカン株式会社の徳田さんが出版した『はじめての越境EC・海外WEBマーケティング』を読みました。

越境ECを網羅的に記した書籍は、これまでほとんどありませんでした。
アメリカAmazon出品や、中国モールからの輸入、海外SEOなど、限定した分野の書籍はいくつかあります。ですが、日本の商品を海外ユーザーに売っていこうとする、狭い意味での越境ECを扱った本は、2017年に出版された佐藤亘さんによる『越境EC&海外販売攻略ガイドブック』くらいだと思います。

その理由として考えられるのは、①このノウハウこそが支援業者の生命線なので教えたくない ②そもそも越境ECビジネスを網羅的に語れる会社は少ない だと思います。
①についてはそのままの意味ですが、②について少し述べますと、越境ECでは市場調査、サイト構築、物流、広告、CS、法令などカバーしなければいけない分野が広く、支援業者1社で全てに精通しているケースは少ないです。実際に弊社もサイト構築に特化した会社でして、それ以外の部分は知識として知っていても実務的な支援をすることはできません。

その意味で、①②をクリアして出版したセカボカさんには敬意を払うべきでしょう。
日本の越境EC市場全体を盛り上げたいという想いを感じました。

なお、若干”ヨイショ”し過ぎました記事になってしまいましたが、アフィリエイトではありません笑。
越境ECを検討される方は、支援事業者と商談をする前に、この本を手にとって概要を把握しておくのが良いと、純粋に思います。

自分の業務にも取り入れたいと思った点

ここからは個人的に参考になった部分です。
弊社は越境ECのカートシステム開発をしている会社でして、「アジア向け自社越境ECサイト構築」に支援を特化した会社です。
ですが、越境EC事業を検討している方とお話する中で、「システムの機能的なことを説明されても仕方ない」と言われることも多々あります。もっと踏み込むと、そのような方が聞きたいのは、要約すると「うちの商品はどこの国に売れそうか」「どうやったら売れるのか」ということになります。

もっともな意見だと思います。

この本を読みながら感じたのは、システム開発会社だとしても、越境ECをやろうとしている方と同じ目線に立ち「どのように越境EC事業を立ち上げるのがベストか」と考え、ノウハウを示すことだと感じました。具体的な広告や物流の支援は、世界へボカンさんのような広告専門の会社や、ECMS,DHLのような物流専門の会社とタッグを組んで一緒に取り組む必要があります。ですが、初回の商談で、弊社がもっとクライアントの課題や情報を整理して、成功の道筋を示していく必要はあるでしょう。
もちろんある程度は今でも行っていますが、もっと強化する必要があると感じました。

特に、この本の第一章の市場調査や現状分析は、具体的に海外のモールを調査して類似商品/競合商品の販売数を調べる方法や、検索ワードのボリュームなどを調べる方法が書かれています。
どれも簡単かつ、無料で行える施策ばかりです。
ですが、このような内容を事前に調査しているクライアントは皆無に近いです。
弊社が初回商談前にこの程度は調べるべきだなと思いました。

また、本の中程で紹介されている、「取り組みパターン」というのも参考になりました。

  1. 自社サイトでコツコツ信頼を積み重ねるパターン
  2. 海外モールのみで売上を最大化するパターン
  3. 海外モールと自社ECサイトで売上を最大化するパターン
  4. 日本観光時に接点を持ち、帰国後に越境ECサイトを利用してもらうパターン
  5. 海外の実店舗からECサイトへ引き上げるパターン

上記のようなパターンを提示して、それぞれのメリット・デメリットを記していました。

自社ECサイト構築サービスを提供している弊社の立場だと、どうしても「1.自社サイトでコツコツ信頼を積み重ねるパターン」や「3.海外モールと自社ECサイトで売上を最大化するパターン」をオススメしてしまいがちでしたが、顧客の立場だと、「2.海外モールのみで売上を最大化するパターン」も同じく検討したいはずです。

多少綺麗事になっていしまいますが、弊社もより幅広い提案をしていかなければならないと感じました。

個人的にも色々と気付きがある本でした。

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スターフィールド編集部

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