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E-Commerceは時代遅れ!?
アジアで沸騰中M-Commerce(モバイルコマース)とは!?

E-Commerceは時代遅れ!?<br>アジアで沸騰中M-Commerce(モバイルコマース)とは!?

はじめに~Mコマースとは~

Mコマース(モバイルコマース)とは、、Eコマース(電子商取引)の一形態で、特に携帯電話を利用した電子商取引のことです。スマホの普及によって生じた、Eコマースの発展形と捉えられる場合が多いようです。

ここで、「あれ、今までも、スマホ対応したレスポンシブデザインを採用していたし、既にMコマース対応しているんじゃない!?」と思われた方!意外と、EコマースとMコマースの違いがあります。

本記事後半でご紹介しますが、日本に比べて他のアジア市場はEコマースを超えたMコマースへの対応がすさまじく、今後もこの流れは加速するものと考えられています。アジア向けに越境ECを行われている方、検討中の方は、ぜひMコマースの流れに対して最適化できているかどうか、一度チェックしてみてください。

Mコマース(モバイルコマース)、Eコマースとの違い

まずは、Eコマースの”発展形”と言われる、”Mコマース”は、「レスポンシブデザイン」の他にどのような点がEコマースと異なるのか見てみましょう。大きく分けて、4つご紹介します。

1.最も分かりやすい違い

最も分かりやすいEコマースとMコマースの違いは、「デバイス」です。EコマースはPCメインな一方、Mコマースはスマホやタブレットを主軸に置きます。

また、デバイスの違いに伴い、プラットフォームにも変化があります。Eコマースはウェブサイト中心ですが、Mコマースにおいては、ウェブサイトもアプリもどちらも利用される点がEコマースと比べて幅が広いと言えるでしょう。

2.決済

特にオンラインでの物販におけるMコマースを語る上で、避けて通れないのが「決済」です。様々なサービスがあり、一概には言えないものの、Eコマースでは、クレジットカードでの購買がメインと捉える傾向にあります。

一方Mコマースでは、クレジットカードのみならず、QRコード決済やアプリ決済とも呼ばれるモバイル決済や、銀行アプリ等を使用したモバイルバンキングでの決済等、購入者によって様々な決済手段が好まれます。

3.通知機能・SNSとの親和性

Mコマースの強みが特に現れるのは、3つ目の部分かもしれません。Eコマースで商品を買う際には、「○○が欲しい」と思ってから、PCを起動→検索→発見→気に入れば購入、のプロセスを踏みます。販売者側からは、広告や、既存顧客へメール等でのアプローチをすることができますが、Mコマースと比べると、制限があると言って良いでしょう。

Mコマースにおいて、アプリを利用していればアプリのプッシュ通知、そしてSNS等をうまく活用すれば(例えば、InstagramのLIVE等)SNSからの通知を活用することで、多くの利用者に最新の情報を届けることができます。購入者が日常的に使うSNSから、購入サイトまでタッチ1回でページを移動することができるのも、Mコマースならではの強みでしょう。

4.いつでもどこでも

Eコマース以上に、Mコマースはいつでもどこでも購入を可能にしています。これは、購入者側のメリットですが、販売者側のメリットとしても、スマホの詳細なトラッキングデータを元に、パーソナライズした広告施策を行うことが可能になります。

特に、EC販売と店舗での販売を行われている事業者様にとっては、店舗の近隣のユーザーにターゲティングしたり、ある特定の場所に訪れたことのあるユーザーにターゲティングしたりと、購買に繋げるシチュエーションを細かく設定できるのもMコマースの強みです。

アジアのMコマース事情

冒頭でもお伝えしましたが、アジアではEコマースから、Mコマースへ対応する動きが強まっています。
簡単なデータを元に、日本と他のアジア諸国がどのように異なるのか見てみましょう。

Mコマース普及率

上記のグラフは、Mコマースの普及率を表したグラフです。日本は一番下で32.1%となっていますが、他のアジアの国々は、50%を大きく超え、インドネシアやタイは70%を超えています。インドネシアの人口は世界4位と考えると、想像もつかない多くの人がスマホで買い物をしているということが分かるでしょう。

好まれる決済手段

上記にて、Mコマースではクレジットカードのほかにモバイル決済などの利用が好まれるということをお伝えしました。実際に、アジア各国ではどのような決済が好まれているのか見てみましょう。

日本(真ん中下段)はクレジットカードの割合が78%と、他の決済手段に大きく差をつけて1位にランクインしていることが分かります。Alipay、WeChatPay、銀聯がよく使われる中国では、モバイル決済が64%と、ここも他の決済手段と大きく差をつけています。

一方、タイ、インドネシア等は、様々な決済手段が乱立している状態です。アジアの中でも先進国であるシンガポール香港においては、クレジットカードが1位であるものの、2位にモバイル決済がランクインしてきており、日本のようにハッキリとした差が見えないのも特徴的です。

簡単に、Mコマースの普及率や決済手段についてご紹介しましたが、日本の事情とアジアの他の国の事情は、大きく違うということが、少しでも感じ取っていただけますと幸いです。

まとめ ~アジア向け越境ECで工夫できること~

EコマースとMコマースの違いや、アジアのMコマース事情をお伝えしてきました。

ですが、実際に、アジア越境ECを運営する上で工夫できることと言えば、デザインのレスポンシブ対応や、SNSでのファンづくり等、既に行われていることの方が多いかもしれません。

基本的なことかもしれませんが、より一層「スマホメインで日常生活を送っているユーザーにとって、どれだけシームレスにスマホ上で購買が完結できるか」ということをを念頭に置くことが大切かもしれないと感じました。

 

余談になりますが、今回参考にさせていただいたレポート、Payments optimization in APAC内に越境ECに関する興味深いデータもありました。

オンラインで買い物をする理由に、「自国では手に入らないものを買うため」と選んだ人の割合が、シンガポール40%、中国35%、香港32%、タイ31%、インドネシア30%だそうです。日本は21%だったことからも分かる通り、日本人が日常的に感じる以上に越境ECは身近な存在なのかもしれません。


《参考》Payments optimization in APAC , uptech , Forbes

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MINGFAN

自称東南アジアオタク。SNSの中の人、メルマガの人です。アジアのマーケット事情やShopeeの運営系を中心に書いてます。

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