STERFIELD

コロナ禍で伸びる中国越境EC市場!特徴的な新興プラットフォームも

コロナ禍で伸びる中国越境EC市場!特徴的な新興プラットフォームも<!--intern-->

はじめに

越境ECにご興味を持たれている方に、どの国向けの販売をご検討されているのか伺うと、筆者の実感で85%の方が「中国」と言われます。やはり物理的にも距離が近く、人口が世界一の市場は、日系企業からはとても魅力的なマーケットです。

特に2020年のコロナを機に、中国国内でも「越境EC」で購買をする傾向がますます強くなり、独身の日の売り上げなど、メディアでも「中国越境EC」を取り上げられるようになった気がいたします。

今回は、コロナ以降なぜ中国越境ECが盛り上がったのか、中国国内の状況をおさらいし、中国越境ECに特化した新興プラットフォームについてご紹介します。

コロナ以降の中国越境EC市場の状況

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの国が混乱する中、中国はいち早く経済を回復させ、「新しい日常」を始めました。海外渡航ができないなか、手軽に海外の商品を手にできる越境ECの人気がさらに高まっています。

その要因として、海外渡航ができないことに加え、「代購」のサービスが使えなくなったことが挙げられます。「代購」とは、現地中国人が欲しがる海外製品を代わりに購入し、持ち帰る買い物代行サービスのことです。「代購」は、海外渡航停止を受けて営業ができない状況に陥っています。

このような状況を受け、越境ECの市場規模は拡大を続けています。2020年、第1~3四半期の越境EC小売輸入額は前年同期比17%増と拡大したそうです。

また、中国海関(税関)総署の発表によると「全国の越境EC管理システムを経由して通関した輸出入商品は26・2%増えた。うち輸出が28・7%増、輸入が24・4%増だった。」そうです。海外渡航禁止も長引くことが予想されるため、越境ECの利用は今後も続くと考えられます。

越境EC関連の新興プラットフォーム

越境EC市場で大きな売り上げを誇っているのが、アリババグループの「Tmall Global」、「Kaola」。取引総額の50%以上を同社が占めています。次いで人気なのが、「京東国際」です。

ただ、上記以外にも、様々な新興中小プラットフォームがあり、存在感を示しています。一部を紹介します。

豌豆公主(ワンドウ)

「豌豆公主」は、日本製品限定のプラットフォームです。東京のインゴーラ社が開発しました。3000以上のブランドを扱い、化粧品や洗剤や防虫剤などの日用品、アパレル、日本食など幅広い品ぞろえがありあます。出店会社としてLIONやカルビーなど有名企業も名を連ねています。中国メディア关于36氪によると、2015年9月のリリース以来、合計2,000万人の登録ユーザーを登録しているそうです。また、ユーザーの年齢層は主に20〜30歳に集中しています。

HP:豌豆公主

大眼睛買買買(Idsbuybuybuy)

「大眼睛買買買」は、北京諾獅科技(Beijing Nuoshi Technology)が運営するハイクラスの美容ヘルスケア製品に特化したプラットフォームです。「豌豆公主」とは対照的に、大手のメジャーブランドは扱わず、厳選したニッチさブランドを発掘することで人気を集めてきました。主に欧米のアンチエイジング商品を扱っているECモールですが、日本の商品も販売されており、CocochiCosmeの「ココチフェイシャルエッセンスマスク」の売れ行きが好調だそうです。

百分百(baifenbai)

「百分百」は、中国のGoogleと言われるバイドゥ(百分)の日本法人、バイドゥジャパンが運営する越境ECプラットフォームです。中田英寿氏が日本約2,000カ所の中から厳選したこだわりの逸品を購入できる「にほんものストア」を設置したりと、日本の商品に特化したプラットフォームです。中国ユーザーとの物流や決済の対応はすべてバイドゥが無料で対応するため、メーカー様は商品を日本国内の指定倉庫に送るだけで中国越境ECを始めることができます。

HP:百分百baifenbai

まとめ

越境ECの盛り上がりに伴って、大手モールは、多くのアクセスがあります。しかし、知名度の低い商品だと埋もれてしまうこともあります。一方、ご紹介した新興プラットフォームは、商品数も比較的少なく、自分の知らない新しい商品を発見したいと考える顧客からのアクセスも考えられます。売り出したい商品にあったプラットフォームはどこか、しっかりと検討することが重要です。

とはいえ、中国のEC市場においてモールで利益を上げることは難しいのも事実です。モールへの出品以外にも、ミニプログラムや、独自ドメインによる展開という方法もあります。独自ドメインによる展開は、顧客情報の取得が可能になるなどのメリットもあります。モールへの出店だけでなく多角的に検討していくことをお勧めいたします。

《参考》
Jetro, AFP, 36kr, chai-memo

Author Profile

著者近影

スターフィールド編集部

SHARE

合わせて読みたい