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【寄稿記事】17億人の
ムスリム市場における潜在力

【寄稿記事】17億人の</br>ムスリム市場における潜在力 <!--sato-->

 

17億人のムスリム市場における潜在力

寄稿者紹介

尊田京子    株式会社東京メディカルコンサルティング 代表取締役

外資系企業の医薬品・医療機器会社を経て現職。企業等の海外展開支援を医療・介護・障害者福祉・防災(リスクマネジメント)分野で行う。イスラム諸国約8割での業務経験を持つ。

 

 

はじめに

2018 年の訪日外国人数は3000万人を超えました。前年比 8.7%増、1964 年以降で最多です。

今年はラグビーW杯、2020年には東京オリンピック・パラリンピック、2021年にはワールドマスターズゲーム、その後も大阪万博、アジア競技大会など、日本ではメガ・イベントが続き、観光やアニメの人気も相まって、今後、ますます外国人観光客は増え続けることが見込まれています。

 

ムスリムの世界的立ち位置は?

この中で、人口約17億人といわれ、今や世界人口の4分の1を占めるムスリム(イスラム教徒)の来日も増加しています。人口が増えマーケットが拡大することが確実視されているムスリム市場は、いまや世界各国の企業の注目の的となっています。ムスリム人口は、今から約10年後の2030年にはキリスト教徒人口を抜いて世界一となり、2050年には世界人口の3分の1になると予想されています。

 

ムスリム市場について

このムスリムを対象とする市場規模は、現在でも推定300兆円といわれ、2030年までには1,000兆円に達するとの経済予測もあります。

イスラム教、ムスリムというと中東をイメージする人もまだまだ多いです。しかし、実は、17億人のうち約60%の10億人はマレーシアやインドネシアなどASEANおよびアジア諸国に集中しています。そして、これら諸国では、所得の上昇と生活水準の向上によって、市場ニーズ自体が急激に変化しており、日本食の市場拡大や日本製品の消費が拡大してきています。また、これら諸国の大半は、その歴史的背景からも親日度が高いのです。

 

日本製品は、地元製品や中国や韓国からの輸入商品と比較すると価格が高いため、日本製品を購入可能であったのは、一部の富裕層に限定されてきていました。また、中華系がこの富裕層の多くを占めていたために、これまではムスリムを日本企業や日本人はあまり意識してきていない状況が続いていました。つまり、日本製品をそのまま流通させるだけで良かったのです。

 

ところが、状況は大きく変わりつつあります。ASEANおよびアジア諸国ではアッパーミドルが急増してきており、マレーシアやインドンシアなどでは富裕層、超富裕層も急増しています。マレーシアはイスラム教が国教であり、インドネシアの約90%はイスラム教で、この2か国だけでも人口2億6,000万人、日本の2倍以上です。つまり、いま新たに「高所得のムスリム」という市場が誕生しつつあるのです。

 

しかし、この巨大な市場へ参入している日本企業はまだわずかです。このチャンスをぜひ獲得してください!






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スターフィールド編集部

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