マレーシアのECセールスイベント
はじめに
オンラインショッピングが一般化し、ECイベントは世界的に文化的現象になりつつあります。
アメリカではブラックフライデーやサイバーマンデー、中国では独身の日のようにオンラインでの販売において各国のイベント日を把握することは非常に重要になってきます。
これまでは、リアル店舗のようにクリスマスや、独立記念日等の国が定めた文化的休日に消費者の消費活動が活発でした。しかし、大幅な値引きやプロモーションにより近年の消費者行動は行事に縛られず促進されています。
国が定めている休日とは異なり、これらのECイベントは莫大な売上を生み出します。そこで今回はアジアの中でも一人あたりのGDPが高く、英語圏でリスクヘッジが効くマレーシアのECの主なセールスイベントについてご紹介します。
つながりの強いインドネシアのセールスイベントも併せてご覧ください。
マレーシアECでの主なイベント日
中国資本の影響もあり、11.11や12.12など多くのイベント日がアジア他国と共通しています。
ビッグイベントが年の後半に集まっているため、第4四半期での売上が非常に高いのが特徴です。
今回はその中でも大きなイベントとマレーシア特有のイベント日を紹介したいと思います。
11.11
中国のAlibba社が設定した独身の日は毎年のように流通総額が更新されています。
Lazadaではなんと開始1時間で100万件の注文を、Shopeeでは開始1時間で前年(2018年)の3倍もの売上を記録したそうです。
1人あたりの平均消費額はRM277(約6,800円)になります。参考にマレーシアの大卒初任給はRM2,000~2,500(約5万5千円~6万8千円)です。
2019年の11.11ではハラールマークを取得している飲料のMiloが一番売れました。なんと27トン以上のMiloが開始2時間で購入されたそうです。
その他には、Xiaomiのスマートフォン(13,000台以上)やおむつ(450万枚以上)が人気で、Volkswagen Polo BMW エディションは用意されていた11台が開始1分で完売しました。
11.11と同等のイベントの12.12や10.10、9.9も手を抜けないイベントになっています。
ラマダン
マレーシアの人口は、60%(約2,800万人)がムスリム信者で構成されています。イスラムカレンダーでは一番神聖な月とされているラマダンは夜明けから日没まで毎日断食します。2020年は4月24日~5月23日まで行われる予定です。
そんな1ヶ月行われるラマダンでは、ECでの売上が伸びるとされています。
特に陽が登る前の午前5時は通常月の同時間帯比で105%以上のトラフィックが見られるとのことです。
陽が沈む19時あたりでは夕食に備えトラフィック量が沈みます。しかし、タラウィーフ(ラマダン時の特別礼拝)後の22時頃になると再度トラフィックが増加するようです。
また、ラマダン期間ではファッションカテゴリーの売上が伸びるとされています。理由としては、ラマダンの終了時に行われるお祝いのイド・アド=フィルトに備えて服を購入する人が増えるとのことです。
日本では無い文化や概念・EC戦略になり、これぞ越境ECと言えるでしょう。
MyCyberSALE
MyCyberSALEはマレーシア独自のオンラインセール・イベントになります。マレーシア最大級のオンラインペイメントゲートウェイの「FPX」が後援しています。
9月か10月の5日間で行われ、販売するためには事前の登録が必要となっています。
2019年は400以上のEC事業者が事前登録・参加し、幅広いカテゴリーの商品が販売されました。
マレーシア独自のオンラインショッピングイベントなので、今後の動向が非常に楽しみです。
《参考》MyCyberSALE
Hari Merdeka
Hari Merdekaはマーレーシアの独立記念日です。
マレーシアは1957年の8月31日にイギリスから独立しました。
パレードを行ったり、花火を打ち上げてお祝いをします。この祝日にはお祝いを更に盛り上げようと、事業者はオンラインでの販売の際にレストランのクーポン等を発行したりするようです。
まとめ
文化・宗教が背景のラマダン時のセールや、マレーシア独自に発達している銀行間の送金「FPX」を促進するためのMyCyberSALE等、デジタルから見える現地の商習慣(セールスイベント)を紹介しました。
マレーシアは、購買力の高いシンガポールと一緒に越境販売先国として選ばれる傾向があり注目されている市場の一つです。
今後もマレーシアECは目が離せません!
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