各国の決済事情シリーズ「マレーシアの決済事情を網羅」
はじめに
今回は各国の決済事情のまとめ第3弾としてマレーシア編をお送りします。
余談ではありますが、先日来日した弊社ミャンマー法人の社長であるミャンマー人に「今年は、日本でもQRコード決済が普及していて、こうやって支払うんだよ」と見せたところ、「ミャンマーでも今はどこにでもありますよ。今はスマートフォン持っていれば、財布はいらないですね。」と即答された事に意気揚々と話した事による恥ずかしさと、焦りがないまぜな感情に陥りました。
クレジットカードの普及の歴史を飛ばしてモバイル決済が台頭する発展途上国の価値観を目の当たりにした瞬間でした。
日本は現金主義が根強く、金融に関しては特に規制が厳しい特殊な国の一つかもしれません。
まとめていく中でインフラ事情や金融の歴史的背景によって、各国の決済事情が様々あり非常に興味深いです。
今回は、同じ東南アジアでも、マレーシアの決済事情についてまとめてみました。
隣国シンガポールの決済事情も併せてご覧ください。
主な決済手段
マレーシアは東南アジアの中でもGDPを2位を誇る国で、比較的多様な決済方法を選ぶことができます。 しかし、まだ現金主義が根強く残っています。
対面式の主な決済手段
他の多くのアジア諸国と同じくして、マレーシアもかなりの現金主義社会です。 都市部の多くのショッピングモールではクレジットカードを使うことができるものの、大きい額の買い物でない限りカード払いを選択する文化が根付いてないようにも思えます。
《出典》WorldpayEコマースを含む通販全般の決済手段
また、通販全般の決済において特徴的なことは、銀行送金の割合がかなり大きいことです。
《出典》WorldpayマレーシアのMaybank、CIMB Bank、RHB Bankといった主要大手銀行のほとんどは、それぞれスマートフォンアプリによって、銀行残高を確認するだけではなく、送金や支払いなどが手数料なしでできるサービスを展開しています。
そのため、マレーシア人の中では年会費がかかり、手続きが面倒で、引き落としに時間がかかるクレジットカードより、アプリで手軽に支払いを済ますことができる銀行送金を好む傾向にあるのかもしれません。
モバイル決済
《出典》ecInsider
マレーシア国内でライセンスを持つ業者は、上記の銀行のアプリ内決済も含め42社あります。(2019年5月現在)
中華系の人口が多いからか、WeChat Pay、Alipay、UnionPayの中国3大決済はカバーされています。
しかし、これらのモバイル決済に関しては、サービス展開は活発化してきているものの、実際にサービスを導入している店舗がまだ少なく、消費者の利用率はまだ低い印象です。
まとめ
決済手段で最も使われているのは銀行決済であり、クレジットカードの伸び以上にオンラインでの銀行決済が伸びていることがマレーシア決済事情における最大の注目点です。
モバイル決済に関しては、42社が参入しており群雄割拠の状況で、日本勢の中では唯一AEONが台頭しています。
クレジットカードではなく、銀行送金への対応と、今後伸びるであろうモバイル決済への対応がマレーシア進出の鍵になるかもしれません。
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